~日本のうたよどこいった~
土取利行 弾き唄い『添田唖蝉坊・知道を演歌する』
土取利行(唄.三味線)
18:30open 19:30start
前売¥3,000 当日¥3,500
1/18(土)Tokuzo tel: 052-733-3709
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世界的パーカッショ二ストが、三味線を手に演歌巡礼・日本を疾駆するそのわけ フリージャズ・民族音楽の渉猟者であり、ピーターブルック国際劇団での演劇音楽や古代音楽の開拓者として驚異的な音楽遍歴を重ねてきた土取利行は今、日本中で三味線を手に明治大正演歌をうたい続けている。2011年より展開されているこの演歌巡礼は、演歌師の草分け・添田唖蝉坊の長男にしてやはり演歌師の添田知道に、土取利行の音楽パートナー・桃山晴衣が演説歌の実態とその正調を学び遺して逝去したことに端を発する。 壮士演歌に始まる政治的抗議歌や啓蒙的な革命歌から、社会の底流に生きる庶民の立場で批判や風刺を本懐とした明治大正演歌は、江戸期から続く、小唄・端唄、俚謡・俗謡といった当時誰しもに馴染みのある三味線調が主。官憲をあざむきながら流行語や擬音を巧みに織り込んで、メディアのない時代に街頭に立って歌った演歌師の口から日本中に広まった近代流行歌謡であることは、現在ほとんど忘れられていると言えよう。 土取利行は、この演歌がもっていた底力を、音楽と社会性の双方から問い直し、これまでのフォークやチンドン・ロックなどによるリバイバルと一線を画し、全編全詞を踏まえての正調による蘇生を展開している。明治からの欧米追従型の国家政策により、音楽や民族の根がことごとく断ち切られている日本。高く澄んだ声だったといわれる唖蝉坊の声音に重なるように、土取利行の絶妙な弾き唄いと語りが、その断絶を鮮やかに浮かび上がらせるだろう。(立光学舎) |