サハラ砂漠のオアシスにいたヤマネコは6千年前、人間と友だちになり、一緒 に暮らしてイエネコ(猫)になりました。人々はその霊力に気づき、女神(バステト)と崇めました。それから猫は海陸のシルクロードを西へ、五千年かけて日本に来ました。シルクロード沿線地域では猫の霊力に気づくこともなかったのに、日本人は「招き猫」を創り上げた。今や日の丸に次ぐ「第二の国章」。招き猫は日本で、なぜ、誰が、どのように創り上げたのか…それを私と語り合いませんか。
授業計画 一回90分×全六回。 原則として第二・四土曜日9:30-11:00に開催します
チケットの内訳 教材費1000円+授業料一回分3000円×6回=19000円
①はじめに~エジプト文明の「バステト女神」 -猫史は黒猫にはじまる-
②「姿の招き猫」の登場-江戸・明治の招き猫事情-
③「姿の招き猫」の起源-近世初頭の豪徳寺の三毛猫と檀王法輪寺の黒猫-
④「精神の招き猫」の伝承-語り継がれた猫伝説 夢と恋の王朝猫-
⑤「精神の招き猫」の形成された王朝猫貴族時代-「唐猫」は輸入高級ペット-
⑥むすび~「精神の招き猫」の根本経典-『寛平御記』王位を招く猫-
講師紹介 菊地真(きくちまこと)1959年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、文学博士。早稲田大学文学部講師~北京理工大学外国語学部外国専家を経て、2019年から2023年秋までカイロ大学文学部教授兼(エジプト)アインシャムス大学言語学部客員教授。同僚教授や学生から「猫博士」「猫先生」とも呼ばれてきた。日本古典文学専攻。主な著書として『招き猫の文化誌』(勉誠出版)『招き猫の宮』(戎光祥出版)『全釈日蔵夢記』(学術研究出版)『日本語論文の書き方』((カイロ)オシリス書店)『日本精神文化史入門』(学術研究出版)など