アベノミクスの第3の矢である成長戦略の大きな柱として新規産業の創出・育成、ベンチャー投資の促進が掲げられ、我々ベンチャーコミュニティが改めて大きな注目を集めています。
ベンチャー投資の促進は、これまでいろいろな形で取り上げられることがありましたが、今般の流れは、銀行を中心とする日本の金融システム、中小企業金融政策の転換という大きな流れの中で理解する必要があり、その意味で、単なる一過性の話ではない、制度の変革に関わる問題としてとらえる必要があります。
アクセラレータの活躍や投資手法の多様化、投資活動のグローバル化の流れが加速する中で、日本の金融システム変革のための制度の大改定の動きが起こりつつあり、ベンチャーキャピタルが、アベノミクスの第3の矢がめざす新規産業振興の政策の波を的確につかむためには、こうした大きな流れの中でのファンドとしての戦略を考える必要があります。
このような問題意識に立って、日本にベンチャーエコシステムを確立することを掲げてスタートアップ支援に取り組み、金融庁で金融政策の立案と監督に携わった経験を持つ講師が、ベンチャーキャピタリストの皆さんが知っておくべき、ベンチャー・中小企業金融に関連する金融業法の改正と金融政策の最新動向について解説します。
【対象】
ベンチャーキャピタリストの方、現在のベンチャー関連の金融行政の動向について興味がある方
【講演内容】
1.アベノミクス第3の矢
2.金融機関によるエクイティ投資の大幅解禁
3.金融機関の融資慣行の変革
4.エクイティクラウドファンディング
5.ベンチャーキャピタル業務への影響
6.質疑応答
【講師紹介】
森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士
増島 雅和
弁護士登録後、日本で3年ほどベンチャー法務に携わる。その後、米国シリコンバレーのウィルソン・ソンシーニ法律事務所にてベンチャー法務に従事、持続的なベンチャー産業の発展のためにはエコシステムを確立することが必須と痛感。
帰国後、金融庁で金融政策に携わり、我が国金融システム全体から見たベンチャーファイナンスの位置づけを体得することで、基幹産業が衰退しつつある日本にエコシステムの確立は待ったなしであると確信、長年温めていたビジョンを実現するための行動を開始。
まずは起業家の能力の底上を図るべく、情報提供サイトStartup Innovators(http://startupinnovators.jp/)を開始。一定の成果が上がった今、活動の第二弾として、エコシステム全体、特に資金供給主体としてのベンチャーキャピタルと事業会社にフォーカスして、エコシステムを回すために各主体に期待される役割と具体的な方法論について伝えるための活動を開始。
座右の銘はNothing is impossible