「反社会的集団」への“闇”営業――。
組織的に詐欺を行なっていたグループの催事に、契約先の芸能事務所を通さず営業を行い収入を得たとして、少なくない人数のお笑い芸人が活動を自粛せざるを得なくなったと話題になっています。
知らずして接触をもつことすら「落ち度」として、非難の対象とされるわけですが、ところで「ヤクザ」や「反グレ」と呼ばれる集団は、どうして「反社会的」だと言われるのでしょうか?
暴力を肯定しているからでしょうか?
犯罪を目的としているからでしょうか?
あるいはそうした人達が、とにかく「ガラ」の悪い、「怖い」人達だからでしょうか?
「反社会的集団」については、多くの問題が指摘されています。
でも、それでは「反社会的」であるとはどのようなことを指すのか――何だか腑に落ちる説明が、見当たらないようにも感じます。
一方で、いわゆる「アウト・ロー」の世界は、今も昔も娯楽のテーマとして、その中心に存在しています。
「海賊王に俺はなる」(『ONE PIECE』)
「弾はまだ残っとるがよう……」(『仁義なき闘い』)
「赤城の山も今宵限り~」(『国定忠治』)
ヤンキー、任侠、海賊・・・こうしたカルチャーは、「社会」とどのような関係にあるのでしょうか?
「反社会」性とは、「エンタメ」の枠内でのみ許容されるもの、ということなのでしょうか?
一体「社会に反している」というのは、どのような状態を指しているのでしょうか?
「社会」とは一体、私達にとって、何であると言えるのか。
「コンプライアンス」の言葉が叫ばれる中で、立ち止まって考えてみたいと思います。