今、シリアをはじめとする世界中で、第二次世界大戦後、最悪となる6500万人が紛争や迫害で家を追われています。難民や避難民を保護するための責任分担が、国際社会の最重要課題となっていますが、この問題に対する国際社会の対応は決して十分とはいえません。
東南アジアでも、2015年5月、およそ8,000人が庇護を求めて、マレーシア、タイ、インドネシアに押し寄せました。多くはミャンマー(ビルマ)やバングラデシュ出身で、政府の迫害や極度の貧困に苦しめられ、危険な海を渡ってきたのです。しかし、当局は、食料や水が尽き、極限状態にあった彼らを保護するどころか、沖へ押し戻し、命を危険にさらしました。船の中には、女性や幼い子どもたちもいました。
当日は、インドネシアやミャンマーなどで難民の緊急支援に携わり、国連や世界銀行などへの政策提言に精力的に取り組んでいるリリアン・ファンさんをお招きします。専門家の経験から、この人道危機を解決するために、市民団体や国際社会、そして日本が果たすべき役割を考えます。
ゲストのプロフィール
■ リリアン・ファン(Lilianne Fan)さん
2004年コロンビア大学大学院・人類学専攻修士課程を修了。現在、インドネシア・アチェを拠点に活動する人道支援団体の事務局長。難民支援に携わって約16年。この間、インドネシア、ミャンマー、ハイチ、ヨルダンで危機対応、家を追われた女性、子ども、宗教的・民族的マイノリティの教育や医療支援、紛争地や被災地の復興に取り組んできた。今は、ミャンマー・ラカイン州で無国籍のロヒンギャが直面する人権問題の改善に努めている。国連、世界銀行、赤十字などのアドバイザーとしても活躍中。
■ 人見泰弘(ひとみ・やすひろ)さん
北海道大学大学院博士課程修了。現在、名古屋学院大学国際文化学部専任講師。ビルマ系難民コミュニティを対象に、日本およびビルマにてフィールドワークを行い、難民受け入れや社会統合に関する研究に取り組む。著書に『現代人の国際社会学・入門―トランスナショナリズムという視点』(有斐閣、2016年、共著)など。現在、移民政策学会常任理事。特定非営利活動法人・名古屋難民支援室の理事も務める。
■ 佐伯奈津子(さえき・なつこ)さん
インドネシア民主化支援ネットワーク事務局長。名古屋学院大学国際文化学部専任講師。インドネシアの資源開発と紛争、人権問題について、日本のかかわりを中心に調査、提言活動を行う。とくに紛争地だったアチェにおいて、人権侵害被害女性の聞き取り調査や自立支援のほか、スマトラ沖地震・津波被災者への支援活動に取り組む。著書に『アチェの声:戦争・日常・津波』(コモンズ、2005年)、『現代インドネシアを知るための60章』(明石書店、2013年)など。
日時
2016年12月4日(日)14:00~16:00(13:30開場・受付開始)
【主なプログラム】※逐次通訳あり
- アムネスティのキャンペーン紹介
- 各ゲストの講演
- 質疑応答
会場
名古屋市市民活動推進センター集会室
〒460-0008 名古屋市中区栄三丁目18番1号 ナディアパーク デザインセンタービル6階(栄駅7,8番出口より徒歩7分/矢場町駅5,6番出口より徒歩5分)
資料代
一般:800円、学生:500円、アムネスティ会員・HRS:無料
主催・お問い合わせ
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町2-12-14 晴花ビル7F
TEL:03-3518-6777 FAX:03-3518-6778 メール:camp@amnesty.or.jp
協力
名古屋難民支援室