主要先進国の中でも、ファミリービジネスのGNPおよび雇用に対する貢献度が高いFB大国日本。ファミリービジネスが日本経済の成長力、イノベーションを高める上で果たしている役割を研究しようと注目が集まっています。
ファミリービジネスの本質には、価値観の継続性、長期的評価が可能、迅速な意思決定という強みがある一方、非効率、閉鎖的、小規模、ガバナンスが甘い、などの弱みも内包されています。これまでは、同族企業に零細・中小企業が多いということもあり、研究調査は企業規模をベースにした中小企業論として取り上げられるか、企業の永続性をベースにした老舗の研究として取り上げられることが多いです。しかし、我々はダイナミックなイノベーション・革新の源泉としての位置づけに注目すべきと考えています。そのため、早稲田大学総合研究機構の中に「国際ファミリービジネス総合研究所」を設立し、ファミリービジネスの成長に焦点を当てた研究を2013年にスタートしています。
継続的に強みを出すには、パラレルプランニングや世代交替を進化のプロセスとするシステムや、永続戦略を可能にするガバナンス体制の構築プロセスに関する研究が大いに参考となります。
そこで今回は「傑出した世界のベストプラクティスに学ぶ」と題して、日本および欧米の代表的なファミリービジネスの事例を中心に議論したいと思います。欧州からはファミリービジネスの世界的な研究・教育拠点の1つであるスイスローザンヌのIMD (=The International Institute for Management Development)でファミリービジネスプログラムの責任者であり、主任教授であるJoachim Schwass教授にお越しいただきます。また日本からは公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長で新潟総合学園総長をされている池田弘様にお話をいただきます。
さらに午後のファミリービジネスの方のみ参加(一般者は非公開)となるワークショップでは、父親母親セッションと事業承継者セッションの2部屋に分かれて議論を進めます。一族の価値観や伝統を活かしたガバナンス体制を構築できる自由度に焦点を当て、コーポレート・ガバナンスとファミリー・ガバナンスが両立することで、競争優位性が強化される仕組みを構築するのに参考となる議論になることでしょう。その後、シンポジュームに参加するファミリービジネスに関わる関係者が一同に集まり、ネットワークを広げるディナーパーティを開催します。
【スケジュール】
10:00-12:30 アカデミックセッション(公開)
① キーノートスピーチ1: Dr. Joachim Schwass(Professor IMD)
② キーノートスピーチ2: 池田弘氏(新潟総合学園)
③ 主催者セッション:ファミリービジネスネットワークの今後の進め方
12:30-14:00 昼食
14:00-16:30 ワークショップ(非公開)
① 父親母親セッション
② 事業承継者セッション
16:30-17:30 まとめ・ラップアップ
18:00- ネットワークパーティ(リーガロイヤルホテル)
【参加費用】
無料(但し、ディナーに参加される方は15,000円をお支払いください)。また、本活動にご賛同いただける方は早稲田大学にご寄付をいただければ幸いです。
【翻訳本贈呈】